ごあいさつ

橋本五郎氏メッセージ

どうか気軽にご利用を

橋本 五郎

 「五郎文庫」がスタートして一年半が過ぎました。「廃校に小さな文化の花を咲かせたい」という私のささやかな望みは、予想をはるかに超えた形で実を結んでいます。これもすべて、小玉陽三さんはじめ地元の人たちの、ふるさとを何とかしたいという熱い思いがあったからだと思います。文庫ができるまでのすべてを北羽新報の記者さんたちがまとめてくれました。『廃校が図書館になった!』(藤原書店)という本となって近々出版されます。
 2万冊を寄贈し、文庫は出来ましたが、その本は大げさに言えば「爪に火を灯す」ように買ったもの、著者や出版社から送られたものなどさまざまです。学生時代には本の価値判断がつかず、兄が持っていたものを真似して買ったものも随分あります。その多くは古本屋で買いましたが、5円でも10円でも安いものを買おうと足を棒のようにして回ったものです。社会人になってからは、給料の3分の1は家賃、3分の1は食費・衣料費、3分の1は本代という割合がしばらく続きました。それだけに1冊1冊に思い出と愛情があります。
 ある時期まで、「蔵書目録」を作っていました。本の題名と著者、出版社、そして購入日を記入しました。人から見ればさしたる意味はないでしょうが、私にとってはかけがえのない「財産目録」です。送られてくる本が多くなり、忙しさもあって、ここ10年ぐらい目録をつけることを断念してしまいましたが、目録を見ていると、買った時の状況が思い浮かびます。数の問題ではありません。これもまた大げさに言えば、私の生きた人生の証しだと考えています。出来るだけ多くの人に利用して欲しい。その思いには切なるものがあります。

(読売新聞特別編集委員)

橋本五郎氏プロフィール
  • 生年月日:1946年12月29日 山羊座
  • 出身地:秋田県三種町鯉川

 1970年慶応義塾大学法学部卒業。読売新聞社入社 地方部、政治部勤務。論説委員、政治部長、編集局次長を歴任。現在、読売新聞東京本社特別編集委員。 日本テレビ系列「五郎が斬る!」「ミヤネ屋」「スッキリ」などでニュース解説を担当。

橋本五郎氏

会長あいさつ

橋本五郎文庫へようこそ

橋本五郎文庫運営委員会会長 小玉 陽三

 みたね鯉川地区交流センターの代表者が変更になりました。
 前任の小玉会長は平成23年4月のオープン以前より開設準備やオープン式典の段取り、また開設後の運営委員会の取りまとめなど多大な苦労と尽力をされました。心より慰労申し上げます。
 オープン以来6年間、当センター主催の事業として講演会や音楽コンサート、地域活性化のための盆踊り大会など多くのイベントを企画実行し取り組んでまいりました。さらには全国に秋田県三種町にある「橋本五郎文庫」を発信するため、3回にわたり作文コンクールを企画・募集し作品集まで発行しました。主だった全国の図書館に寄贈し、沢山の反響がありました。有難うございました。
 文庫についてはオープン当初は橋本五郎さんより寄贈された本が約2万冊でしたが、7年を経過し3万8千冊となり、他では手にすることができない珍しく貴重な本があります。ぜひお出でください。本以外にもここでしか見られないものがあります。
 片田舎の廃校になった小学校が地域のための交流場所、図書館となって活性化し、利活用されているこの施設を一度ならずとも何度も訪れてみたいと思っていただけるような魅力ある交流センター及び橋本五郎文庫にしたいと思います。
 今後共、前任者にも増してみたね鯉川地区交流センター・橋本五郎文庫の運営につきましてご協力とご指導をよろしくお願いいたします。

平成30年1月